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人生には三つの段階があると考えられます。
第一の段階は、自分のことしか考えない利己的な段階です。せいぜい家族の幸福だけしか考えないような生活です。悪いことではありませんが、精神年齢12歳と笑われても仕方のないような幼稚な人生観です。
第二の段階は、自利利他、自分も他人も共に幸福になれるような生活です。自分の権利を尊重する如く、他人の権利をも尊重していく、今日しきりに唱えられる民主主義的人生観です。それは極めて健全な、常識的な、しかも道徳的な、人生観ですが、わたしは、さらに一段上の生活があると思います。
第三の段階は、つまり宗教の世界です。あたかも世の母親が、自分の幸福を忘れて、ひたすら子供の幸福だけを考えるように、自分に関する一切を忘れて、誰かの幸福のために、人類の福祉のために、世界の平和のために、喜んで一生を捧げるような生活です。
それは犠牲的精神だとか、奉仕の行だとかいわれる窮屈なものではなくして、そうすることが楽しく、そうしていることによってのみ、幸福が感じられる心境です。
それは、釈尊が、「今、この世界は悉くみな我が家であり、その中に住む、迷える心を持つ人々はみな我が子である」と仰言ったような、最も高い人生観であります。悟りを開けば当然、そういう心境になれるでしょうが、悟りを開かなくても、そういう願いと愛情を持つことなら、誰にもできると思います。その願いと愛情を持つことを菩提心を発すと申します。
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