大いなるかな心や

私たちのもつ心とは何と広大なものであろうか。

天空の高さはきわまりないが

心はその高さをも超えることができる。

大地の厚さは測ることができないが、

心はその厚さをも越えることができる。

太陽や月の光明より優れるものはないが、

心の輝きはその光明をも凌いでいる。

宇宙は果てしないものだが、

心は宇宙を越えて無限である。

(栄西禅師のことば)

 そのようなすばらしい心。その心をひとりひとりが持ち合わせています。
「劫」というのは大きな岩が、100年に一度天女がおりてきて、その羽衣で岩がだんだんすり減って、やがてなくなってしまう、そんな気が遠くなるほど長い時間をあらわしますが、私たちは、「心」を使って、万劫という長い期間すら一瞬にして飛び越えることができます。「心」を使って、岩がなくなる瞬間に思いを馳せることができます。
 あるいは逆に、ほんのわずかな楽しい時間であっても、それが永遠に長い楽しみの時間と感じることもできます。
 ひとりひとりが、そのような「おおいなる心」を持ち合わせています。これはまさに奇跡だと思うのです。だから、人間の尊さに目覚め、自分の生活も、他人の生活も大切にしましょう。
(2005年  老人福祉施設 椿園にて)